クレジットカードは広く普及しており、数枚持っている人もいるでしょう。
インターネットショッピングやオンラインサービスなどで必須なサービスもございますし、日用品の買い物でもクレジットカードが普通に使用されています。
そんなクレジットカードを、普段から何気なく使っているかもしれませんが、実は使い方によっては住宅ローンの審査に響きます。
本記事では「クレジットカードと住宅ローンの関係性」や「住宅ローン審査に悪影響を与えない使い方」などについて、詳しく解説いたします。
もくじ
クレジットカードの使用状況は、住宅ローン審査でチェックされる
クレジットカードの使用状況は、住宅ローン審査で必ずチェックされます。
チェックされる項目は、下記などです。
■支払い設定(分割やリボ払いなど)
■キャッシング枠の使用有無
(※詳しくは事項以降で説明します。)
またカードを複数枚持っている場合も、その全ての使用状況についてチェックされます。
使っていなかったとしても、あまりに多くのクレジットカードを持っている状況は、与える印象がよくありません。
何故かというと、クレジットカードでの買い物は「借金」なので、多くのカードを持っているということは、将来的に借金が多くなる可能性があるとみなされるからです。
使っていないクレジットカードは、住宅ローン審査の前に、あらかじめ解約しておくことをオススメします。
「リボ払い」には特に注意が必要
住宅ローン審査では、クレジットカードの支払い設定も厳しくチェックされます。
特に「リボ払い」を設定していると影響が出やすく、場合によっては住宅ローン審査自体が通らないことがあります。
リボ払いについて
「リボ払い」は分割払いと混同されがちですが、購入金額に関わらず、毎月一定の額を金利と一緒に返済していきます。
分轄払いは、購入金額により毎月の支払い金額が変わりますし、最大分割回数も決まっています。
リボ払いは、大きく分けると下記2つに分けられます。
① 定額方式
購入代金に関わらず、毎月同じ金額を払います。
高額な商品を買った場合には、返済がいつまでも続くので、ずっと借金を抱えた状態になります。
② 残高スライド方式
購入代金が一定基準までは、毎月同じ金額を返済しますが、一定基準を超えると返済金額も増えていきます。
①②のどちらにしても、気を付けて使わないと「いつの間にか借金が膨れ上がる」状態になることがあります。
更に、カードの限度額ギリギリまでショッピング枠を使っている「リボ天(※リボ天井の略)」状態の人は危険です。
この状態の人は、住宅ローン審査でかなり悪影響があると言えます。
キャッシング枠を使わなくても、ついているだけで影響が!?
クレジットカードには、必ず「ショッピング枠」がついています。
更に「キャッシング枠」がついていることもあります。
これは、クレジットカードを使って借りることができるお金の枠を指します。
この2つは混同されることもあるので、下記に違いを説明します。
クレジットカードを使って「買い物ができる金額」の限度枠
【キャッシング枠】
クレジットカードを使って「借りることができる金額」の限度枠
使っているクレジットカードにキャッシング枠自体はあるけれど、一度も使ったことは無いので、住宅ローン審査に問題はないだろうと思う人もいるでしょう。
しかし使っていなくても、キャッシング枠がついているだけで、住宅ローン審査に少なからず影響はあると言えます。
何故かというと、今後このキャッシング枠を利用し「将来的にお金を借りて、借金を抱える可能性がある」とみなされるからです。
住宅ローン審査の際には、キャッシング枠分を考慮して、融資金額から差し引かれます。
そもそも利用しないのであれば、キャッシング枠を消したり、限度額を最低金額にするなどの方法を行うと良いでしょう。
支払い滞納も信用情報に傷をつける
住宅ローン審査では、契約者の信用情報を見て「この人にお金を貸しても大丈夫そうか?」を判断します。
この信用情報に、クレジットカードの「支払い滞納」の状況も記載されます。
引き落とし口座にお金を入れ忘れて、支払い滞納を繰り返すと、住宅ローンの審査に影響があります。
「お金の支払いにルーズで、信用できない人」だと思われるからです。
もし気づいた場合には、督促状が届くのを待つ前に、1日でも早く返済できるようにしましょう。
更に、滞納状況に対して「異動」という言葉がつくと、住宅ローン審査はほぼ受からないと思った方が良いです。
滞納状況の「異動」とは?
住宅ローン審査の際に、金融機関は希望者の「信用情報」を専門の機関に開示請求します。
そこには、クレジットカードやローンの支払い状況も掲載されるのですが、「異動」という言葉が記載されると、金融事故同然の扱いになります。
これは、自己破産や債務整理をした人と同じレベルの扱いです。
「異動」と記載される条件は、下記の通りです。
■返済することができず、保証会社が立て替えてローン会社に支払いをした
■裁判所から破産宣告をされた
例えば携帯電話の利用料金などでも同様で、ついつい支払いを忘れて61日以上の滞納をしてしまうと、信用情報に「異動」という言葉がついてしまうので、気をつけましょう。
日頃からクレジットカードの使い方を意識すること
普段何気なく使っている便利なクレジットカードですが、住宅ローン審査を通過したい人は、日頃から使い方を意識することが大切です。
ポイントは下記の通りです。
過去5年間の情報をチェックされるので、その点を意識する
住宅ローン審査をする際に、金融機関が信用情報を取り寄せる専門機関は、主に下記3つです。
① シー・アイ・シー(CIC)
クレジットカード会社の共同出資により作られた信用機関です。
クレジットカード会社・銀行・消費者金融などが加盟しています。
② 日本信用情報機構(JICC)
消費者の信用取引を支える為に作られた信用機関で、多くのクレジットカード会社・銀行・消費者金融などが加盟しています。
③ 全国銀行個人信用情報センター
全国銀行個人情報信用センターが運営している信用機関です。
信用金庫や地方銀行や農協など、金融機関はほぼ加盟しています。
この3機関は、消費者の「過去5年間」の信用情報を記録として残しているので、住宅ローンの審査を受けたい場合には、5年間を意識すると良いでしょう。
もし前項で説明した「異動」などの滞納状況が記載されている場合には、5年が経過してから住宅ローン審査を受けることをオススメします。
その為、普段からクレジットカードをきちんと利用することが大切だと言えます。
自分の信用情報が気になる人は、それぞれ手数料はかかりますが、この3社に開示請求をして確認するのも良いでしょう。
小さな額だとしても滞納はしない。した場合もすぐに払う
中には「少額だから、ちょっとくらい滞納しても良いだろう」と考える人もいるかもしれませんが、それは甘い考えだと言えます。
少額だとしても「きちんと返済できているか否か」を、きちんとチェックされるからです。
例え100円だとしても、滞納から61日が経過すると、信用情報に「異動」という言葉がつき、ほぼ確実に住宅ローン審査には通らなくなってしまいます。
もし滞納してしまった場合には、できるだけ早く支払うようにしましょう。
リボ払いに注意する
CMや広告でリボ払いを紹介していたり、周囲でもリボ払いで買い物をしている人がいるからと、気軽にリボ払いを行っている人は注意が必要です。
リボ払いをしていること自体、住宅ローン審査での印象は良くないと言えます。
もしリボ払いをしている人は、できる限り「解消」する方向で進めることをオススメします。
その場合、下記などの方法を行うと良いでしょう。
■リボ払いの設定を解除する
インターネットや電話から、解除設定を行うことが可能です。
■残額の一括返済をする
リボ払いの設定を解除しても、残額については継続して支払う必要があるので、住宅ローン審査の際に見た目がよくありません。
その為、手持ちのお金があれば、残額の一括返済もオススメします。
キャッシング枠はつけない!もしつけても最低限の金額に
クレジットカードのキャッシング枠は、使ったらもちろん住宅ローン審査に影響しますが、使わなくても少なからず影響があります。
その為、クレジットカードを作る際には、最初からキャッシング枠をつけないことも視野にいれましょう。
申し込んだ後でも、キャッシング枠を削除することは可能です。
もしどうしてもキャッシング枠をつけたい場合は、最低限の金額を設定するようにしましょう。
クレジットカードの金額返済の為に、消費者金融を使用しない
クレジットカードの金額を返済するために、消費者金融でお金を借りることは絶対にやめましょう。
これは「(クレジットカードの)借金を埋めるために、更に借金を行う行為」だと言えますし、消費者金融でお金を借りること自体が、住宅ローン審査に悪影響を与えます。
きちんと毎月のやりくりを行ったり、場合によっては更に仕事をして、堅実に返済する方法を取りましょう。
まとめ
普段から何気なく使っているクレジットカードは、住宅ローンの審査に密接に関係していることが分かりました。
金融機関はクレジットカードの使い方を見て、希望者の信用度合いをはかっていると言えます。
そもそもクレジットカードの使い方に自信がない人は、クレジットカード自体を最初から持たないとか、解約を行っても良いかもしれません。
現金をどう使っているかは、審査の対象にはなりません。
そうは言っても、やはり便利なクレジットカードを手放すことができないという人は、本記事を参考にし、日頃からきちんとした使い方をするように心がけましょう。