COLUMN

2023.09.30

フラット35の基本的な仕組みを徹底解説!利用する前におさえておきたいポイント

住宅ローン通らない 広島

全期間固定金利型の代表的な商品が、住宅金融支援機構のフラット35です。

金融機関も取次店として「フラット35」という共通した名称で取り扱っていますので、どの金融機関で借り入れても同じだと思うかもしれません。

そこで今回は、フラット35の基本的な仕組みを解説し、金融機関によっての違いを確認します。

フラット35の基本的な特徴

フラット35は、借入期間中に金利が変動しない全期間固定金利型です。

変動金利型では、金利上昇リスクを利用者が負いますが、全期間固定金利型では、金融機関が負うことになりますので、金利は変動金利型よりも高めに設定されています。

またフラット35の金利は住宅金融支援機構が指定する一定の範囲内から金融機関が決定します。

ただ、金利を高くすると借り手が少なくなってしまうことから、ほとんどの金融機関では最低金利を採用しています。

フラット35の基本的な特徴

  • 返済期間中の金利は一定
  • 借入当初の変動金利型より金利が割高
  • 金利はほとんどの金融機関で最低金利
  • 2種類のフラット35/買取型と保証型

    フラット35の基本的な特徴を紹介しましたが、「買取型」か「保証型」かを確認する必要があります。

    「買取型」は、金融機関が販売したフラット35を住宅金融支援機構が買い取って証券化し、投資家に販売しています。

    全期間固定金利型のリスクを投資家が負っているため、一般的な証券化しない全期間固定金利型よりも金利は低めです。

    またフラット35の基本的な特徴を紹介した「住宅金融支援機構が一定の金利範囲を決める」点は、買取型の特徴です。

    ほとんどの金融機関では買取型を取り扱っています。

    一方「保証型」は、住宅金融支援機構が金融機関の保証会社になります。

    万一、住宅ローンの返済が遅れた場合に、保証会社が利用者に代わって金融機関に返済します。

    その後は、保証会社が利用者に返済を求めることになります。

    このような保証会社の役割を住宅金融支援機構が担います。

    「買取型」と「保証型」の違い

    ほとんどの金融機関では「買取型」を取り扱っていますので、両者の違いや2種類あること自体知らないかもしれません。

    住宅金融支援機構は「保証型」を扱う金融機関を今後、増やしていく予定ですので、違いがあることを理解しておく必要があります。

    「保証型」は「買取型」とは異なる商品で、フラット35とは全く異なると考えておいた方がいいでしょう。

    保証型は、住宅金融支援機構が保証会社となるだけで、金利などの商品設計は金融機関が決定します。

    審査基準の一部や住宅の技術基準など「買取型」と共通する部分もあります。

    保証型を取り扱う金融機関一覧

    保証型を取り扱う金融機関は少しずつ増えていますので、フラット35を利用する予定の人は、必ず確認しておきましょう。

    民間金融機関より金利を低めに設定できるフラット35(買取型)よりもさらに金利優遇を受けられる可能性があります。

    保証型のフラット35を取り扱う金融機関の一例は次のとおりです。

  • 日本住宅ローン
  • アルヒ
  • 財形住宅金融
  • 広島銀行
  • クレディセゾン
  • 住信SBIネット銀行
  • 保証型を取り扱う金融機関が増えれば、全期間固定金利型の商品でも各金融機関の特色を活かした様々なフラット35(保証型)が販売され、選択肢が増えるでしょう。

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    フラット35の審査基準は、住宅金融支援機構が公開しています。

    総返済負担率など収入面の審査基準もありますが、一定の技術基準を満たす住宅でなければ利用することができないことから、民間金融機関と比べると物件基準を重視していると思われます。

    〇年齢
    ・申し込み時の年齢が満70歳未満の人
    ※日本国籍又は永住許可を受けている人、特別永住者

    〇収入(総返済負担率)
    ・年収400万円未満 30%以下
    ・年収400万円以上 35%以下

    総返済負担率は、年収に占める年間返済額の割合です。

    年収400万円未満なら総返済負担率は30%以下、年収400万円以上なら総返済負担率は35%以下でなければなりません。

    年間返済額には住宅ローンだけでなく、自動車ローンや教育ローンなどすべての借入金を含んだ額です。

    フラット35の技術基準

    フラット35を利用するためには、住宅が 住宅金融支援機構の定める耐久性などの技術基準に適合しているかどうかの物件検査を受け、「適合証明書」の交付を受ける必要があります。

    マンションなどすでに物件検査を受けている場合は、「フラット35が利用できる」旨が記載されているでしょう。

    中古物件を購入し、リノベーション(リフォーム)する予定であれば、フラット35を利用したい旨を建築会社やリノベーション(リフォーム)会社に伝えておくといいでしょう。

    フラット35 おもな技術基準

    接道住宅の敷地が道路に2m以上接していること
    住宅の床面積一戸建て70㎡以上、マンション30㎡以上
    ※店舗併用住宅の場合、2分の1以上が居住用部分であること
    規格住宅は、原則として2以上の居住室(家具等で仕切れる場合も可)、炊事室、便所、浴室があり、独立した生活を営むことができるもの
    耐久性住宅は、次の1~3のいずれかに該当すること。
    1 主要構造部を耐火構造とした住宅であること
    2 準耐火構造(省令準耐火構造の住宅を含む)の住宅であること
    3 耐久性基準に適合する住宅であること
    耐震性建築確認日が昭和56年5月31日以前の住宅は、耐震評価基準等に適合する必要がある

    フラット35「S」(買取型)

    一般的なフラット35以外にもフラット35Sやフラット35リノベ、フラット35(リフォーム一体型)など様々な種類があります。特にフラット35Sの特徴について解説します。

    これまで、フラット35の特徴や技術基準を紹介しましたが、フラット35Sはこれらに加え、求められる技術水準レベルが高くなります。

    省エネルギー性、バリアフリー性、耐震性、耐久性・可変性のいずれかを備えた住宅であることが条件で、技術水準レベルに応じて、より技術水準レベルの高い「金利Aプラン」とその次に高い「金利Bプラン」に分かれます。

  • 「金利Aタイプ」:金利引き下げ幅「▲0.25%」が当初10年間続くタイプ
  • 「金利Bタイプ」:金利引き下げ幅「▲0.25%」が当初5年間続くタイプ
  • フラット35Sの技術基準は次のとおりです。

    フラット35S 技術基準

    【新築・中古共通】「金利Aタイプ」

    (1)~(6)の基準のいずれかを満たすこと

    省エネルギー性(1) 認定低炭素住宅
    (2) 一次エネルギー消費量等級5の住宅
    (3) 性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
    耐震性(4) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
    バリアフリー性(5) 高齢者等配慮対策等級4以上の住宅
    ※マンションやアパートの専用部分は等級3でも可
    耐久性・可変性(6) 長期優良住宅

    【新築・中古共通】「金利Bタイプ」

    (1)~(6)の基準のいずれかを満たすこと
    中古住宅の場合は、【新築・中古共通】か【中古タイプ基準】のいずれかを満たすこと

    省エネルギー性(1) 断熱等性能等級4の住宅
    (2) 一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
    耐震性(3) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
    (4) 免震建築物
    バリアフリー性(5) 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
    耐久性・可変性(6) 劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅
    ※マンション・アパートは、一定の更新対策が必要

    【中古タイプ基準】

    (1)~(4)の基準のいずれかを満たすこと

    省エネルギー性
    (開口部断熱)
    (1) 二重冊子または複層ガラスを使用した住宅
    省エネルギー性
    (外壁等断熱)
    (2) 建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2以上)または中古マンションらくらくフラット35のうちフラット35Sの省エネルギー性(外壁等断熱)に適合するとして登録された住宅
    バリアフリー性
    (手すり設置)
    3) 浴室および階段に手すりを設置した住宅
    バリアフリー性
    (段差解消)
    (4) 屋内の段差を解消した住宅

    住宅ローン金利の推移

    ここでフラット35の金利推移を確認しておきましょう。

    下記のグラフは、平成25年4月から令和元年10月までの、金利推移です。

    金利は借入期間や融資率によって異なりますが、このグラフは借入期間21年以上、融資率9割以下の金利です。

    また平成29年10月から新団信付の金利となっています。

    住宅ローン通らない 広島

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    グラフを見ますと、低金利が続いていますが、令和元年10月は、その中でもかなり低い金利水準となっています。

    変動金利型と比べると高く感じるかもしれませんが、借入期間中、金利が上昇しないことを考えると、返済負担はかなり軽減されるでしょう。

    どの金融機関でもフラット35の支払額は同じ?

    ここまでフラット35の特徴について解説してきましたが、名称が同じ「フラット35」でも、事務手数料などの諸費用の額は金融機関によって異なりますし、「買取型」「保証型」、「S」かどうかなどの商品性による違いもあります。

    今後も「保証型」を取り扱う金融機関が増えることを考えると、「フラット35」といえども、金融機関によって総支払額は違うと考えておいた方がいいでしょう。

    丁寧にシミュレーションして比較することが大切

    どの金融機関も同じ住宅ローンなら商品選びは楽なので、同じものだと思いがちですが、実際には全く異なると考えて住宅ローン選びをした方がいいでしょう。

    借入先によっては、同じ借入金額であっても数十万円の差が出ることがありますので、自分でシミュレーションしたり、見積もりを出してもらったりして確認するようにしましょう。

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